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    [ねぇねぇ、梓、夏実のあん噂。知っとるね?]


    [なんなん?知らん知らん、なんの噂?]


    [なん知らんとね?みんな知っとるよ。]


    [あー、もしかして夏実が不倫しとるていう噂ね?]


    [わからんねぇ。まぁ恋愛は理屈じゃなかけんね。]


    私は、この地域の生まれでない。

    今日も、仕事を追え、一人、この女性客が噂話や、グチをこぼす居酒屋で遅い晩御飯を取っていた。


    「ふう~。」

    「あ~あ。」

    「なんで、こんな仕事を選んじゃったのかしら・・・」

    1人溜息をつきながら、焼酎を飲んでいた。


    大学を卒業し、東海地域の寡占企業の系列会社へシステムエンジニアとして、入社したのが4年前だった。


     2年間は必死で、受注したプログラムをひたすら打ち続けその成果を認められ、この熊本に新しく建設される、工場の中枢のシステムを製作する、ワーキング

    グループに抜擢された。


    「そうそう、私の名前は平林裕香。」


    これからは、女性の感性がオートメーション化された、設備や装置を稼動させるには必要だという社命を帯びていた。

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    こうして初日の仕事はものすごく速い時間の経過と共に終わった。

    会社に帰り、ダンプ部の終業メンテナンスをして、事務所に戻った。


    「知世ちゃん、ご苦労様~。」

    哲也の母が、ねぎらいの言葉をかけてくれた。


    「朝は、次の仕事先に回ってたから会えなかったけど、明日からは、私も乗るからね~。」

    そう、哲也の母も大型ドライバーである。


    「ふう~。」

    ひとつ溜息を出し、会社をあとにし、マイカーでわずか5分しか離れていない自宅についた。


    「ただいま~。」


    「どうする、汗流す、それとも食事?」

    母は、いつもと同じように出迎えてくれた。


    「う~ん、先にシャワー浴びてから、今日は由美子とちょっと遊んでくるっ。」

    昼間の由美子と電話で、遊ぶ約束をしていたので、洋服に着替えそのままマイカーで出かけた。


    待ち合わせの場所のモールに車を止め、店内に入り、由美子を探した。

    由美子は、既に今日の穴場のブティックの前に立っていて、私を見つけると、手招きしてそこに辿りついた。


    「ねえねえ、ここよここ。・・・」

    「ささ、入ってみようよ~。」

    由美子の。この矢継ぎ早の子供のような会話で、店内に入ると、高級感溢れる商品が目に入ってきた。

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