アキラ No.9

アキラ No.9

しかし、俺のこの行動が功を奏したのか、美里は、少しの間黙る事になった。
しめた! ここで、妙案がひらめいた。
美里は、突っ込みは出来るが、相手からの突込みには弱いと思えたからだ。

「あれれ~?」
「美里さんは、俺にタッチしてもらいたかったんじゃあないのかな~?」
「そんな・・・そんな事ないもん。・・・」
美里の顔は益々赤くなった。

「・・・」
無言になった美里を見て、香の顔は普段通りの顔に戻っていった。

確かに、俺はえっちかもしれないが、相手の言葉に軽くあわせる特技というか、
生まれ持った、普通の男性が持ち合わせていない臨機応変な感性があった。

これは、両親の世代で俗に言う”核家族”で本来、人が持ち合わせている本能が
失われていて、俺の家庭環境のように、身内が日々集まっては”ワイワイガヤガヤ”
の環境の中で培われたものである。

——-<回想>—-
この俺の雰囲気もあるのか、高2の時に、いつも集まる友人の従兄弟、年はひと
まわり上の琢己という男性に初めて連れて行ってもらった、スタンドでも発揮された。
初めての大人の夜の世界、俺ははしゃぎまわり、カラオケ三昧で場を盛り上げていた。
そんな時、お店のママにある事を言われた。
「ねえ、アキラ君だっけ?」
「君、女性から誘われるでしょ!」
「そして、きっと据え膳喰わないからって、女にも恥をかかすタイプだわ。」
「据え膳喰わないって?・・・」
琢己に聞いた。
「あ~、女性から”抱いて”って言われても、きっぱり断る・・・かな?」
「あ~、それならあるかも~?」