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「それでは今から儀式を行います。」
「まず、両手を合わせて下さい。 そして、この儀式の最中は、けっして目を明けないで下さい。」
「払いたまえ、守りたまえ、清めたまえ、幸ありたまえ」
「払いたまえ、守りたまえ、清めたまえ、幸ありたまえ」
除霊の儀式はこの言葉で始まった。
この言葉はTVの陰陽師のコーナーでやってた通りだ!
「払いたまえ、守りたまえ、清めたまえ、幸ありたまえ」
陰陽師の声もはっきり聞こえてくるし、カサッカサッっと、彼が動いている気配も感じてくる。
「いったい、どんな事が起きるのであろう?」
「目を明けたい!」
始まってからは雑念が次から次へと沸いてくる。
「だめだ! だめだ!」
雑念を必死に振り払おうと陰陽師の繰り返している言葉が聞こえてくる。
「払いたまえ、守りたまえ、清めたまえ、幸ありたまえ」俺も一緒に心の中でつぶやく事にした。
「払いたまえ、守りたまえ、清めたまえ、幸ありたまえ」
何度かこの言葉を繰り返している時、体に異変が起きはじめた!
驚いた事に、体が勝手に前後左右に「ぐるっ」 「ぐるっ」っとまわりはじめた...
胡坐をかいて座っているその体の動きも、だんだんと大きくなってくる。
「やばい!」 「後ろに倒れそうだ!」
「そっと」陰陽師が、背中に手を回してくれた。
「ふう~!」
「俺? 催眠術にでもかかっているのだろうか?」
私の耳には彼の「払いたまえ、守りたまえ、清めたまえ、幸ありたまえ」という言葉しか聞こえないし...
そう考えているうちに、又、体が回り始めた。
「やばい!」 「これはやばい!」
先ほどよりもより大きくまわっている。
「今度は絶対に後ろに倒れる?」
不安が入り混じり、冷静に物事が考えられない。
「ガッ!」
彼が背中を押さえてくれた。
「横になった方がいいみたいですね?」
「では、横になりましょう」と、私の体を畳の上に横たわらせてくれた。
丁度、右側を下にして横に寝転がった。
「やれやれ、これで安心だ!」と、思いながら、又、木原さんの
「払いたまえ、守りたまえ、清めたまえ、幸ありたまえ」という言葉を復唱し始めた瞬間、体が左に動き始めた。
「ズズ~!」
畳と髪の毛がこすれる音がしながら、左へ左へとゆっくりとまわっている。
これは自分の意思で首を回しているわけではない?
「痛い!」
「痛い!」
左頬が畳についても、尚、首がまわろうとしている。
「痛い!」
「痛い!」
大きな声で痛いと叫びたい心境である。
「う~う~、首が痛い!」
「一体何なんだろう?」
と感じながら、しばらくこのままの状態でいた。
と、今度は、左肩が動き始めた!
また、合わせた両手のうちの左手だけが少しずつズレ始めだした。
「ス~、ス~!」
左肩が畳についた。
「ス~!」
「ス~!」
俺の左手は、まだ、移動している。
やっと、左手が畳について、体は仰向けの状態になった。
「はあ~!」
首は左頬が畳についているが、体が仰向けなので、楽になった。
「ズ~!」
「ズ~!」
今度は、右手が勝手に右腰の辺りに移動し始めた。
「ズ~!」
「ズ~!」と、右手が畳とこすれながら音を出している。
そして右手が右腰にあたると、
「ス~!」
「ス~!」
今度は、お腹の辺りを通り、左腋にまで移動した。
自分の体の不思議な現象を、頭の中では冷静に判断している。
次に、左手が手のひらを上にするようにして、手を広げる動作に入った。
「ズズ~!」
「ズズ~!」
丁度、左肩と平行になる形に左手がなったとき、
「ス~!」
「ス~!」
と、右手が左手に合わさるように動き始めた。
右肩が浮きはじめ、もう少しで、右手と左手が合わさろうとする手前で「ドサッ!」と、いうような感じで、体は左側を下にした横向きの形になった。
しかし、この反転で、左ひざが室内の壁にあたり少し痛い!
「ふう~!」
「?」
「ふう~!」
隣で同席していた妻の声が聞こえた!...
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