陰陽師 霊視(一)

陰陽師 霊視(一)

「ピーンポーン!」

「はい?」

「木原と申します。」

「あ、はい!」

玄関ドアを「ガチャッ」とあけ、陰陽師と初めての顔合わせである。

「あのお、奥様からご連絡は?」

「はい、窺ってますので、上がって下さい!」

「はい、それじゃあ失礼します!」

私は、彼を、居間に通した。

そして彼は机をはさんで、私の対面に彼は座った。

彼は、私の顔や、背後、頭の上のほうをじっと見つめたままで何も言おうともしない?

「はい! わかりました。」

「先週、こちらにお伺いした時は、この家、そして、土地にも何も感じることが出来ませんでした。 あの時、ご主人がいらっしゃらなかったですよね?」

「はい、そうですねー!」

私としては、半信半疑で目の前に座っている、陰陽師という彼を冷静にみて、返事をしていた。

この時、妻も半日休暇をとり家に帰ってきた。

「ご主人には、霊がついていますね? これは気づいてたのでは?」

「…」

「はい、霊が見えるとかというのでなく、何か気配がするとか。」

例えば、以前この部屋で、丁度、妻と対面に座って、話していたときに、ピンポン球のような大きさで、色は薄っすらとしたものが、妻の背後を通り、この仏壇の裏側に回って行くのが見えたり。」

「後、隣のリビングで選挙速報を見ていたときに、丁度、妻の知人が立候補してて、その人の票が、あまり芳しくなく、妻もそわそわしているのが、私にも伝わってまして、気になり妻を見ていたら、妻の頭の上を、オレンジ色の光が、スッー!と、走るのが見えたりとか…」

「後は、そうですね? 家の廊下をやはりスーッと、何かが通ったような通らなかったような?って、くらいですかね?」

私が話している最中も、彼は、私の背後をじっと見つめていた。

「ご主人は、過去に三途の川を見てますね?」

ドキッ!とした。 この話は、妻にも話してはなかったからだ。

「はい、あります。 しかし、私も小さかったので、川よりも、お花畑の印象が強く残ってます。」

「ご主人には、水子の霊が2つと…」

この話もドキッ!と、させられた。

「まさしく、その通りです。 私には、2人の兄の水子がいます。」

「ご先祖に自殺をされた方はいらっしゃいますか?」

「???」

「いえ、私の両親や身内からそんな話は聞いた事がありません。」

「いえね! ご主人の背後で首をつった、上半身だけの男の人が、こっちに来いって、手招きしていますね。」

背筋が「ゾ~ッ!」としてきた。

「自殺者ね~?」

その時、ふっと、頭をよぎったのは、会社の同僚が若くして亡くなった後に、自殺したのではと噂が流れたことがあった。

「同期のやつが?」

「いえ、違いますね?」

「うーん?」

そういえば?

「中学の時の同級生が、自殺したという噂を聞いたことを思い出しました。」

「…」

「ご主人の、ご兄弟の水子の霊を供養しているお寺か何かの側に川は流れていませんか?」

「あっ、はい、流れてます。」

「そして、中学の同級生の家は、そこから近くはないですか?」

また、ドキッ!とした。

「はい、直線距離にしたら100mくらいでしょうか?」

「そして、そのお家の側にも小さな川が流れていて。」

彼は、そう、話しながら鞄の中からレポート用紙を取りだし、図をかき始めた。

「この、川の合流地点に、ご主人のご先祖さまからお世話になっているお寺があって、この下流で、ご主人がお生まれになった家の近くの川が合流してますね!」

「はい、その通りです! でも、何故、わかるのですか?」
気味が悪いが、聞いてみた。

「人にはそれぞれ、守護霊様というのがついていらっしゃいます。」

「例えば、奥様には4代前のおばあさま。」

「だけど、ご主人には、過去、お花畑を見ているということで、ご先祖さまでは、守りきれないから神様が守ってくれているのです。」

「はあ。」

「その、守護霊様と、お話をさせていただいているて、守護霊様のお話によりこうして図解で説明出来るのですよ。」…