何事もなく、事が動き始めていたと感じていたある日、交際中だった妻を連れて、知人の会社に行ってみた。


「積君! 久しぶり。」


社長は出かけていて、香と新しく入った女性社員が出迎えてくれた。


「オッス! お~? でかくなってるじゃん?」


と、香のお腹を指差して笑ってみた。


「香は暗い顔をした。」


何か、まずい事を言ったのだろうか?


「この娘、俺の彼女! よろしく!」


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「こんにちわ。」


妻も軽く挨拶をした。


「あった、あった!」


妻もその光景を思い出していた。


「その女性は、本当にご主人のことが好きだったようですね!」


木原さんが、口をはさんだ。


「そして、その社長もご主人にジェラシーを感じてたようです。」


「えっ?」


「とうことは、私と同じ年の彼女の事か何かで?」


「それも、あるかも...」


「先ほどから、ご主人と話していて、こんなに気さくに話しかけてくれる人は

中々いません。」


「霊が憑いているのか心配な人は、ここまで話してくれないし、すごく時間も必要だし、話していても、思い過ごしのところがある人も結構いますし...」


「ご主人と話していると何か、軽い気持ちになってきます。」


「でも、ご主人の背後にはちゃんと見えてますし...」


「こううふうに、同性でも、異性でも気軽に話せるというのが、もてるのですかね?」


彼は、またまた、持ち上げてくれているようだ!


「ちなみに、その知人のお宅は、先ほど話した、川の下流にありますよね?」


「まさしく、合流点から100m下流の川の側です。」


「はい! わかりました。」


彼も、霊の所在というか、私の記憶を辿って、自分が話した内容が当たっている事に安心したのか、笑顔に変わっていった。


「その他、何か気になる事はないですか?」


うーん?と考えて見て。


「恐い夢ですかね?」


「はい、沢山の方が恐い夢を見られます。」


「で、どんな夢ですか?」


「いえ、夢の内容でなくて、恐い夢を見た後、怪我をしてます。」


「うーん?」


彼は、しばし、考え込んでいる様子である。


「それは、たまたま恐い夢を見たあとに何かが起きただけで、直近ではないのでは?」


「といいますと?」


「おそらく、怪我をして、それから記憶を辿ってみれば、そうだ、恐い夢を見てたからだと、思ってるだけですよ!」


「怪我をしたときは、その前に、必ずといっていほど、水がチョロチョロ流れている音を聞いていませんでしたか?」


「...?」


「あっ?」


「はい、そうです。 確かに、怪我をする前に、チョロチョロという、水が流れる音を聞いてます。」


「そうそう、あの時も!」


妻と出逢った頃、野球のチームに入っていた私は、休みの度に、妻を連れては、あちこちと、遠征試合とか練習試合に出かけいた。


その怪我をした場所は、ある町が町境にある山の頂火葬場を建設し、その横に同じようにグランドを新設していた。


夜間照明も付属され、選手の休むベンチもルーフ付のものであった。


初めて、そのグランドに行く事になったチームは、当然ながら2時間も早く集合してしまった。


ピッチャーであった、私は、ベンチ横でキャッチボールをしてて、その場所の横には水飲み場があった。


そして、まだ新しいはずなのに、蛇口が壊れていてチョロチョロと水が流れていた。


蛇口を閉めなおしても止まらないため放置しておいた。


そして、試合中!


7回の裏の最終回!


2アウトの局番で、バッターは私、足の速かった私は、バントヒットと盗塁で2塁にまで進み、次のバッターのライト前ポテンヒットで3塁へ進んだ。


そして、監督から出たサインはスクイズ!


バッターのスクイズバントも軽やかに決まり、当然私はベースを踏み1点が入り、練習試合とはいえ、勝利する事が出来た。


しかし、このホームベースを踏んで飛び上がった時に、不可抗力なのか、審判の落としたマスクの上に着地してしまい、右足ふとももの靭帯を痛めてしまった。


「この怪我は?」


「そうですね、守護霊様がそうだと言ってます...」...