陰陽師 番外編 そしてあの時もvol3

陰陽師 番外編 そしてあの時もvol3

「そうそう、そう言えば、その大蛇の話だけど。」
「あたしの場合は、ある木の下を通り過ぎた瞬間にドサッ!と音がしたの。」
「で、振り返ったところ、地面に大きな蛇がいたのよ。」

なるほど、妻も大蛇との出会いがあったのか…

「まだ小学生の時だったし、おばあちゃんちは田舎で、大きな柿の木とかもあったし。」

「それとね。」
「後輩のこも、初めは半信半疑なんだったんだって。」

「彼の話を聞いて、自分は関係ないなとか思ってたんだけど、お家に帰ってお母さんに話したら。」
「お母さんが、そう言えば、そのお母さん自身が幼いときに、お父さんやあたしのように、大蛇となんやら関わっていたそうなの」

「てことは、うちの子供達にも?」

「ううん?」
「彼は、子供達に逢った時に、それはないって言ってたし。」

「そうかあ、じゃあ何故?」

「そうそう、彼はこんな話をしたのよ。」
と妻は、また腕を擦りあげながら話し出した。

「色んな国の人がいるじゃない?」
「例えば、ヨーロッパの人だとか、アメリカの人だとか。」

「うん、いるね。」

「あたしたちは、日本人だし、日本で起きることは、全て日本人が基本でぇ。」
「だけど、外国の人には、その国の人のというか、そういった国の人の霊が付くと思いがちじゃない?」

「うん、単純に考える人はそうだよなあ。」
「だけど、書物なんか読んでたり、雑誌なんかで見たのは、外国に旅行に行ったときにその国の憑き物をつれて帰るって読んだことあるけど?」
「それが何かあったのか?」

「うん、それがキリスト教だとか、ほら、その他にもたくさんあるじゃない、色々な宗教がね。」
「そういった霊が憑いた人の除霊が難しいんだって。」

「なるほど。」
「あの、払いたまえ、清めたまえ、守りたまえ、幸ありたまえっていうのは、日本語だよな。」

「そう、それが通用しなくてね。」

「はあはあ、これが俗に言う、スピリチュアルとかいうやつなのか?」

「うん、そのスピリチュアルとか、なんとかというのはわからないけど。」

「そういった霊を除霊するために、何度も何度もおこなわなければならないらしいの?」

「というと?」

「そういった外国からの霊が憑いている人は、そのほかにも沢山の霊がいるんだって。」

「例えば、日本人、アメリカ人、アジアの人だとかアフリカだとかってこと?」

「そう、だから、まず、日本人の霊は、その呪文というか、清める言葉でして。」
「その次に、アメリカの人用の言葉でって、行うんだって。」

「・・・」
言葉に詰ってしまった。

「でね。」
「それで、大変だったらしいの。」

「言葉が通じないからか?」

「ううん、それが大変なものに獲りつかれてたらしいのよ。」

「じゃあ、除霊の時に暴れたのか?」

「そう、それがすっくと立ち上がったりしてね。」

「それを押さえるために、立ち会った人が一生懸命だったらしいの。」
「そうすると、映画で見たようなあの。」
「あの、ポルターガイスト現象みたいなのが起きたんだって。」

「ふ~ん。」
「でも、それは、俺の時にもあったんだろ?」

「そうそう、それも同じで、ろうそくの炎が、スーッと立ち昇っていったみたい。」
「その炎が20cmくらいなんだったんだって。」

「炎が20cmって、そんなわけないだろう?」

「そう、ろうそくが10cmちょっとなのに、炎がスーッとあがるらしいの。」

そんな事は科学的な視点で見ると絶対考えられないし…
本当にそんな現象が起きるのだろうか?

「そういえばなあ。」
「あの除霊の前に、うちでもこんな事があったんだ。」

「何?」

そう、ポルターガイストで思い出した。
「あれは深夜、異常に喉が渇いて、で、キッチンに歩いていったんだ。」

「彼、霊が憑いていると喉が渇くといってたわね。」

「そう、たぶんそれでなんだろうが、あのキッチンの横に、階段下収納があるじゃないか。」

「うん。」

「あの収納の扉が開いたんだ。」

「開いたって?」

「だから扉が勝手に開いたんだよ。」

「なんで?」

「それが、いくら考えても不思議なんだよなあ~?」
「初めは、ちょっと開いて、その後、スーッと全開になって。」

「地震とかあったっけ?」

「ううん、無いよ!」

「じゃあ、やっぱり?」

「そう、としか思えないんだよ。」

「その次の日も、その場所を歩いていると、その扉の側で、その収納庫にググーッと引き込まれるようにふらついて。」

「それってめまいじゃないの?」

「いや、実はその夜も変な夢を見たんだ。」