陰陽師 番外編 そして夢で...vol2

陰陽師 番外編 そして夢で…vol2

「ねえ、その彼女とはあ?」
やっぱり、聞いてきた。

「別に何もないよ。」
「って、全く話したことが無いといったのが正解かな?」

「挨拶も?」

「ああ、それくらいはあるけど。」
「しかし、日常的な会話だとかは全く無い。」
「彼女、俺よりも友人達とばかり話してたし。」

「それって?」

「ああ、今思えば、気を引いてたのかな?」

「今思うって、彼女のそぶりに全く気づかなかったの?」

「だからあ、俺よりも、他の友人とばかり話したんだって。」

「ふ~ん、そんなもので、今思うとって、何故わかるの?」

「あのねえ、俺も色々経験してきたんだよ。」
「仕事も遊びも、それって、ごく普通の大人なら、みんな経験するじゃん。」

「まあ、そうねえ。」
「子育てもね。」

「そうそう、だから、誰でも後から思えばってならないかな?」
妻は俺を疑ってるのだろうか?

「全く話さなくて恋愛って進むのかな?」

「う~ん?」
「あるかも?」

「話さなくて意思の疎通が出来るかな?」

「だから、あるかもって。」
「ほら、目と目で通じ合うってありそうなけど?」

「確かに、そう言われるとそうかなって思うなあ。」
「しかしなあ、こっちにそういった感情が芽生えるかな?」

「そうかあ。」
「で、お父さんは、彼女の事をどう思ってたの?」

「うん、確かに可愛いこだった。」
「だけど、話さないし、友人と仲良く話してたし、まあ、それってその友人の事を考えるとありだもん。」

「奪ってまでって考えないの?」

「ああ、女性は、彼氏が居ようが、妻が居ようがって、あたしがイチバンって考えるってことか?」

「ドキッ!とするような事を言うわね?」

「そうかあ?」
「だけどなあ~?」
「俺、ほら、お袋が…」

「ああ、そうか、御免なさいね。」

「いや、謝ることじゃないけど。」
「その御袋が、身体に障害があったし、それで、オヤジにくっついて、小学校の時から、ほら、施設とかにボランティアに往ってたし。」
「そういったといえば失礼だけど、だから、ほら。」
どういった言葉に置き換えてよいかわからなかった。

「そうかあ、お父さん優しいもんね。」
「だから、陰陽師の彼も、優しいって言ったわね。」

「俺は、自分ではそうは思わないけど。」

「でも、普通ならって、普通の大人ならあなたのような行動は取らないわよ。」
「お父さん、結構人助けしてるじゃない。」

「陰陽師さんと話した、あの事故の時も、サッと車を停車させて、レスキューが到着するまでに、ほらあ。」

「うん、自然に身体が動くのかな?」

「みな、白状だから、そんな現場に差し掛かっても、絶対にそんな事しないわ。」
「あたしだって。」

「あたしだってって、どうしてよいかわからないからだろ?」

「うん、そうだけど。」

「ねえ、日赤の救急の講習でそんな事を習うの?」

「んなわけないじゃん。」

「ただ、免許を取るときには、一通りの説明は受けただろ?」
「後は、応用だとか?」
「う~ん?」
「予知訓練というのか?」
「まあ、そんなものだろうな?」

「しかし、あの時は、助手席の男性はすぐに救助出来たけど、ドライバーの女性は。」
「レスキューが到着して、ドライバーを救出出来ないって説明すると、ああ、ありがとうございますって、スッと座席を後ろに移動させた時には、なるほど~!と感心したよ。」
「レスキューの彼たちは普段からそういった訓練だとか、知識を習得してるから、出来るのだけど。」
「あの時は、また賢くなったって、感じたなあ~?」

「だから、大人になると、そういった経験も含めて考えると、あれこれこうだったのだろうな?って、思うんだよ。」
やっと本題の説明が出来たような気がした。

「うん、そうかも?」
「しかし、オトコとオンナの恋愛は、そうじゃないかも?」

「そう、そう言われれば、そうかな?」

「実は…」
「実は、友人が、教えてくれたんだよ。」

「彼女は、いつも俺の事ばかり聞いていたって。」
早くに、こう説明すればよかったのかも?と、この時感じた。

「やっぱり、ちゃんとした根拠はあったんだあ。」
妻は、やはり俺とその彼女が疑わしいと感じているようだ。

「じゃあ、少しは、お父さんの心の中に、彼女の存在はあったのね?」

「心の中に、彼女の存在?って、おいおい。」
「話した事もない、女性に俺が、何か”ひとり”思ってたってことかあ?」
「まてよお!」

「だから、こっちにはそういった存在だとかって重いものではないよ?」
「それに、神様がそういった女性とは、どこかで偶然のように、導かれるように出逢わせてくれるよ、絶対に。」

「そう、だとしたら、その女性とまた出逢うって事?」

「いや、そうじゃないんじゃないか?」
「今現在もこうして話しているうちに、他の女性が現れるか?いや、すでに現れているかって事だよ。」

「ん?てことは、お父さんには、あたしでなくて、他にまた女性が?ってこと?」