陰陽師 番外編 出逢いは神の仕業?

陰陽師 番外編 出逢いは神の仕業?

「いや、そういう意味でなくて。」
「ほら、出逢いは神様の仕業だけど別離は人の仕業っていうじゃないか!」

「そんな話は、知らないよ!」

「えっ? 知らない?」

「うん、聞いた事がないけど、その意味はなんとなくわかるような気がするわ。」

「だけど、この広い世界の中で、オトコとオンナが出逢うのは、全部が神様の仕業じゃないって事なんだよ。」

「ん?」

「みんな勘違いしてるんだよ、根本的なことをね。」

「それがわからないわ。」

「だから、確かにオンナとオトコは、思春期になると、種の保存という身体に変化する。」
「また、女性であれば、異性、いわゆる男に対して、”ドキドキッ”とか、”キュン”とか、”ビビビッ!”とかで。」

「それって男性もあるのでは?」

「いや、少なくても俺には無いな?」

「確かに、お父さんには無いかもね?」

「それってどういう意味かな?」

「そういう意味よ!」

「まあ、それでいいけど、それよりも、男は女性に対して、そういった感覚でなくて、例えば恥ずかしいとなるはずだよ、きっと。」
「で、その女性と男性が、それを異性に出逢ったときに、感じるもの全てを、神様の仕業って勘違いしてるんだよって。」

「じゃあ、大きな勘違いもあるってこと?」

「そりゃあそうだよ。」
「ほら、例えば初恋だとかって、叶うかな?」

「うん、確かにそうね。」

「だから、出逢いは全てが神様の仕業でないって事だよ。」

「となると?」

「そう、好みだとかは別として、出逢いたい年頃の女性と、同じように出逢いたい年頃の男性が、ある場所に行ったりしてるし。」

「出向かなければ、チャンスがないじゃないのよ?」

「だからあ、神様は出逢わすために、偶然を装う事も仕組んでくれるんだよって。」

「ねえねえ、何故、初恋とか片思いって叶わない可能性が高いの?」

「う~ん?」
「あれかな?」
「ほら、まず、相手にその想いは伝わらない。」
「これは、その想いを伝える勇気の問題もあれば、自分が傷つきたくないって事から、策にはまる。」
「策を練れば、策に溺れる。」

「うん、策士策に溺れるって事もあるかもね?」

「本当は、そんな事を考えるより、まず、アクセス!」

「アクセス?」

「うん、接近するって事が大切って事だよ。」

「なるほど~!」
「だから、話をしていないと…」
「そうなるってわけかあ~。」
「なんとなく、わかってきたわ。」

「だろう?」
「だから、俺は話していないから、ちっともてゆうか、相手の想いは全くわからないってことだよ。」

「ふ~ん、そっかあ~。」

「で、その想いが、生霊とかで相手の所にお邪魔するわけね。」

「そうそう、あの時に玄関を開けた瞬間に彼女の想いが、俺に憑依したって事なんだろうな?」
「それを、陰陽師の彼が、話してくれたので、こうして夢で、あの時だよって守護霊様が見せてくれたんじゃないのかな?」

「まあ、くやしいけど、お父さんもてるからね。」

自分で言うのはおかしいが、確かに、異性には年齢を関係なしに好意をもたれる事が多々ある。
この場所が公で、周りに同僚とかが知人でもいれば、そのジェラシーまでも抱かれてしまう事も多い。
そのために、他人とはまた違った感覚を自然と身につけさせられた。

「ねえ、もったいないね?」

「何が?」

「そんなにもてるのにって事。」

「そんなものではないよ。」

「そうかなあ~?」
「しかし、もったいないよこれは。」

「だから、それが気づいていないからなんともないんだよ。」
「相手は大勢、こちらは1人、だから、大勢を相手にするのはとても疲れるから、バリアというか、境界線を知らず知らずに作っているし。」

「作るって?」

「ああ、だから、5M以内に近づく人とは受け入れようかなって考えてる。」

「それっていいかも?」

「お店なんかにいって、店員さんに接客につかれたくない事もあるし、いいねえ~、その考えは。」
「あたしも、今度はそうしてみようかな?」

「うん、それが相手にとってもよい事もあるしな。」
多くの人が、お店の店員の接客を煩わしく感じているようだ。
そのために、自然とそういったお店からは足が遠のくのもわかるような気がするが…

「ねえ、お父さんがお店に行って店員さんにまず話しかけるのって、もしかしてそういった防衛のため?」

「ちっ!ばれたか。」
「そうそう、まず、相手に話しかけると、店員は安心するんだよ。」

「安心? それって何?」

「だから顔見知りだと、店員は不安感など抱かない、しかし、初対面だと、やっぱ緊張するじゃないか?」
「店員さんにも、やっぱそういった不安感を解消させてあげるのが、客の勤めじゃないかな?」

「なるほど~、だからお父さんもてるんだ。」

「ん?」
「何故?」

「だから親近感が沸くのよ、相手は。」

「おとうさんとはじめてあったとき、あたしも緊張したもの。」
「だけど、お父さん、あの時、俺、女性と話すの苦手なんだって言ったのよ。」
「で、その時、あたしは、それだけ喋れれば上等よって言ったじゃない。」

「それだったんだ~、今、はっきりとわかったわ。」

「なるほど、あたしも、あたしにも話しかけて、あたしのこの想いを早く気づいてって想いを募らせる、その生霊の女性の気持ちがなんとなくわかってきた。」
「となると、生霊は悪い霊ではないのかもね?」

「ねえ、彼女との初対面の時に、その彼女に何かしていない?」
妻は少し時間をおいてこう聞いてきた。