陰陽師 番外編 全ては霊の仕業?vol-3

陰陽師 番外編 全ては霊の仕業?vol-3

「あっ ううん、確かにそうね。」
「お父さんの言うように、他人様の星座なんて関係ないもんね。」
「といっても、友人とか彼氏とか家族の星座を知っていて、うまく付き合うためだけに解釈するのがいいかもね?」

「だろ?」
「星座とか血液型とかで、相性がとか思ってる人って、やっぱ頭がおかしいのかもね?」
「また、そういう人は、どちらか一方の意見や話だけを聞いて、そっちに偏る人なんじゃあないかな?」

「ほら、なんでお前が俺を嫌うんだよって、のがいるじゃない。」
「よく聞けば、そいつに吹き込んだ奴がいて。」

「うん、いるね。」

「第3者は、両方の意見や話を聞かないといけないんだけど、それすら忘れている、ちょっと賢くない人がね。」

「賢くないかな?」

「賢く無いじゃん。」
「そうやって世間を狭く見ているんだから。」

「そうかな~?」

「そうだよ、同情する気持ちはわからなくはないけど、お前には関係ないじゃん。って、感じかな?」

「うん、関係ないかもね。」

「あのなあ~、同情する人は、同じ情けを持っている人で、自分が辛かっただとかで、その話を聞いてもらいたいから、同情するらしいぞ?」
「まあ、女性は同性の友達とかとうまく付き合うためには、この同情やシンクロだとか、あと、相槌打ったりするじゃん。」
「そこだけの話だけでね。」

妻のころころ変わる話で今日はどんな内容のものだったのかももはや忘れていた。

「じゃあ今日はこれくらいして寝るか?」

こうして眠りにつこうとベッドに入った。
どんな話から、こういったものに変わったかを思い出そうとしたが、その初めの話が思いつかない。
このまま、朝までもやもや感があるままと思っていたが、翌日が休日であるため、知らぬ間に眠りについた。

翌朝、目覚めた時には妻はすでに仕事へ出かけていた、といっても、車で3分の距離だから彼女には朝の貴重な時間は沢山ある。

遅い朝食をとったあと、ふと、自宅から見える山へ登ってみようと思いついた。
地上デジタル放送のアンテナ工事のため、ここ数年前からその山へ登るのは久しぶりで、また、車で20分足らずの標高500Mのその山へと車を走らせた。

頂上に着くと、地デジの真新しい大きなアンテナが目の前に現れた。

自宅から見えるそのアンテナの大きさは計り知れたが、実際その近くに行くと、その大きさはやはり壮大だった。

車を停車して、眼下に見える西の市街地へと目を走らせた。
もう8月だというのに、今日の見晴らしは、まるで5月の快晴の日のように遠く他県までもが見通せるくらいで、今年の夏は今までの年の8月とは全く違う景色を堪能させてくれている。

展望台から獣道を数メートル下り、大きな岩の上に立ち、下界とは違う夏の風や匂いを身体で感じながら、久しぶりに立っているその岩の上で、ひょうんな重いがふと頭をよぎった。

「ここで地震があったら、この岩もろとも転がって行くのかな?」と…

そう感じた瞬間に天空から”ゴロゴロ”と雷の音が聞こえてきた。

空を見上げても雲も無く、雷雲があるといえば数十キロ西の空からの音のようだった。

山の天気は変わりやすい!まあこれは標高がこの山よりもずっと高い場所にあてはまるものだが、わずか10分足らずで帰宅することにした。

自宅に着くと妻は半日の仕事を終え帰宅していた。

「おかえり」

「ああ、ただいま」

「どこに行ってたの?」

「ん? ああ、あの地デジのアンテナがある山へ」

「涼しかった?」

「そりゃあ、ここよりはずっとね」
例年この山へは小説などの本を持っていき、その涼しさの中でまったりとした空間の中ですっきりと読書を楽しんでいたが、また次の休みからは、その感覚を味わえるのが楽しみだなあと
感じながら妻に返事をした。

「お昼食べに行こうか?」

「そうだなあ、久しぶりにイタ飯でも行くかあ?」

いそいそと妻も出かける準備に入り、車に乗り込み自宅を後にした。

先ほど眼下に見えた市街地へ入る頃には、その上空は真っ黒い雲が張り出していて、”ゴロゴロ”と雷が鳴っている。

「あの山にいたら、”ゴロゴロ”言い始めたので降りてきたんだ。」

「うん、怖いもんね。」

そして、予想通りその稲妻が”ピカピカ”と見え始めた時に尋常ではないくらいの雨が降り始めてきた。
車のワイパーが間に合わないくらいのその雨は、集中的に降るあの豪雨で、当然周りの車の速度も半減し、いつもなら5分くらいで到着できる距離にその倍の時間を要した。

駐車所に到着し外へ出たときにはその大雨はまだ降り続いていて、その上屋から足を踏み出すことが出来なかった。
また、この どうしようかと躊躇していた瞬間に”グラグラ”と揺れたのである。

「やっぱり地震かっ」

「そうねえ、これで終わりかな?」
震度3くらいの地震はこれでおさまったようだ。

「どうする?」

「うん、あのお店までは歩いていけないから、違うお店に行くか?」

「そうしよう」
く車に乗りその駐車場から違う場所へと移動しはじめた。

「ねえ、やはり地震かってどういう意味?」

「ああ、あの山のあの岩の上に立った時にふと頭をよぎったんだ。」

「地震がくるって?」

「いや、そうでなくて、ここで地震が起きたらってね。」
いつもなら3時間はその場所で時を過ごす。
しかし、雷の音が、いやこの雨の雨雲が見えなかったらと思うと背筋がゾットした。

「神様が教えてくれたのよきっと。」

「ああ、そうだろうな」

違う場所のお店についたときには先ほどまでの集中豪雨はすっかりと上がり、青空が広がっていた。
お店に入ったが、土曜の昼下がりいつもなら満席のその店内には他にお客はいなかった。

やはりあの大雨ではね…
日替わりのランチメニューをオーダーして、そのランチを食べてお店を出るまでに、他にお客はこなかった。

まあ、この景気の悪さで、閑古鳥が鳴くくらいのお店は多くある。
またどのお店も、お客より店員が多いと感じるのは俺だけではないだろうな?

自宅に着きいつものように時を過ごし、ちょっと早めにベッドに入った。

妻も入浴をすませ、自分のベッドに入ってきた時にあの話をはじめた。

「予感がしたのね?」

「予感?」

「そう地震の。」

「そう、あれは虫の知らせだったんだろうな?」
「それよりも、その知らせはやはり神様かな?」

「案外そうでもないかも?」

「案外?」

「例えば霊も…」

「おいおい、そんな事言わないでくれよ。」
妻は冗談半分でそういったようだが、実は今年に入ってから奇奇怪怪な現象が起きていたのである。
そして、その奇奇怪怪な現象については、まだ解明できていなかった。

話もそこそこに眠りについた。

そして、いつしか バイパスが出来てから長い事通っていない道路で信号待ちしている自分がいた。
そう、それは夢の中の出来事であった。

信号が青に変わり、車をスタートした瞬間、その中央部にある路面電車の給電用の電線が”ゆさゆさ”と揺れ始めた。
ドアミラーで、後方の車を見ると、その地域には走っていないバスがいる。

それよりも、この地域もかつては路面電車が走っていたが、廃線となったのはずっと昔の事である。
何故、この場所にこの路面電車の給電用の電線が?
それに、何故、ここで走ってはいないあのバスが?